昔々のお話

【恋ヶ窪物語】身は汚れても心の純潔は守り通す美しい遊女の物語

昔々の話ですが、東京都国分寺市西恋ヶ窪の遊女屋に夙妻太夫(あさづまたゆう)という美しい遊女がいました。平安時代の終わり頃に畠山重忠と恋仲になり、身は汚れても心の純潔を守るために、自ら命を絶ったという悲恋の物語が残されています。

東京都国分寺市西恋ヶ窪に伝わる「恋ヶ窪物語」をご紹介します。

【恋ヶ窪物語】身は汚れても心の純潔は守り通す美しい遊女の物語

画像は「巫女から娼婦へ」という本の表紙で「遊女」の歴史が書かれています。この本には「恋ヶ窪物語」は載っていませんが、遊女の歴史と女性がどのように扱われてきたか、その日、その日をお金で買われて過ごす悲しさが伝わってきます。画像は平安時代頃の綺麗な遊女だと思うのですが、もっと悲惨な遊女もたくさんいたのでしょうね。

ずっと一人の男性を思い続け、恋い焦がれる気持ちを綴った昔々の話は残されていますので、会いたい気持ちや悔しい気持ち、泣きたくなる気持ち、幸せな気持ちはずっと変わっていません。

今の時代は出会いが無い場合は、婚活アプリなどを利用できますが、昔の人が知ったらびっくりしますね。

恋ヶ窪物語

恋ヶ窪物語では畠山重忠は戦いから戻り遊女の元に行きましたが、もてあそばれ哀れな生涯を送った遊女は数多くいたといいます。

金で買われ、その日その日を暮らす遊女の恋は悲しい。
身は汚れても心の純潔は守りたい。わが命を絶った夙妻太夫(あさづまたゆう)の哀れな心情は今でも恋ヶ窪の傾城(けいせい)の松が伝えています。

昔、武蔵国国分寺の宿場町恋ヶ窪の遊女屋に夙妻太夫(あさづまたゆう)という美しい遊女がいました。
たまたまこの家に寄った秩父庄司畠山重忠とねんごろになり、日の経つのも忘れ、情を重ねました。(畠山重忠は平安時代末期の武将)

やがて出陣の時がきて、畠山重忠は主君源義経に従い、平家追討のため西国に立った。

夙妻太夫(あさづまたゆう)は戦いの旅に向かう恋人を見送りながら、「これが見納めになるやもしれぬ」と嘆き悲しむ。

一年、二年と過ぎても畠山重忠は戻らない。夙妻太夫(あさづまたゆう)は西の空を見上げては畠山重忠を案じる毎日であった。

狂おしさがつのる毎日であったが、そんな夙妻太夫(あさづまたゆう)のもとに通う一人の若者がいました。若者は夙妻太夫(あさづまたゆう)の色香に酔い、金を渡し「おれの囲いものになれ」と口説きました。

いくら口説いても畠山重忠のことを思う夙妻太夫(あさづまたゆう)には通じない。男は「おまえの焦がれている畠山重忠は、なんでも西国の敵方の刃(やいば)にかかり相果てたという噂だ。あわれなことよ」そう言いました。

その夜、男が帰ってから夙妻太夫(あさづまたゆう)は西の空に向かい、短刀でおのれののどを突き自害をしました。

里人たちは夙妻太夫(あさづまたゆう)の美しい心根を哀れに思い、手厚く葬り、墓の近くに一本の松を植えて、この松を「傾城(けいせい)の松」と呼んだ。

この松は育つにつれて、西へ西へと枝を伸ばし、西国の恋人を慕うようであったという。

畠山重忠だが西国から無事に凱旋し、恋しい夙妻太夫(あさづまたゆう)の元に駆けつけたがすでにこの世にはいない。

畠山重忠は夙妻太夫(あさづまたゆう)の菩提を弔うために一体の鉄造り阿弥陀仏を鋳造させて、これを安置する一堂も建立しました。

その後は数百年して御堂はすたれ、鉄仏が濡れ仏になっていたのを酒に酔った若者が遊び半分で府中に運んだ。現在では府中の善明寺に座像と立像の鉄仏が二体の鉄仏があるが、畠山重忠ゆかりの鉄仏がこの座像であるとも立像であるとも諸説伝えられている。(参考・南関東第4巻・民話と伝説

桃代さんTwitterより

おわりに

中世のヨーロッパの軍人などは勝手に振る舞っていたので、武官として地方に行くときなど公然と遊興費を取って遊んでいたようです。
男は売淫は許され、売淫が理由で離婚になることも無かったそうです。というか、離婚の原因とすることができなかったということです。これと違って女性の不倫が露見したりすると、地位も格式も奪われたとのこと。

ヨーロッパだけでなく、日本でもそうですし、世界中でこのようなことが起こっていたと思います。時の流れとともに変化してきました。

15世紀の終わり頃の三百年ほどの間にヨーロッパで梅毒が大いに流行し、売淫公認という方針が転換していったとのこと。日本よりもずっと早いですよね。
ずっと昔から変わらない恋する気持ち、心理戦を使っての恋愛テクニック、どうしたら良いかわからないときの占いに頼ることなど100年どころか1000年以上も変わっていないようです。

今は芸能人の男性の方も女性の方も不倫をすると、大変なことになってしまいますが、このようなことは変化してきましたね。

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