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桃から生まれた桃太郎伝説の原型?「温羅(うら)伝説」とは?

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昔々、桃から生まれた桃太郎は気は優しくて力持ち。鬼ヶ島の鬼退治に犬、猿、雉のお伴と一緒に出かけていきました・・・という昔話はずっと語り継がれています。

子供の頃に読んだ昔話は穏やかで温かさが残る話でしたが、「むかし、むかしおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きました。そこに、どんぶらこ~どんぶらこ~大きな桃が流れてきました。その大きな桃から生まれた桃太郎」こんな感じでした。

ところがこの話の原型は、温羅(うら)=鬼 鬼退治の伝説から生まれたと伝えられていました。

打ち出の小槌をふるう桃太郎とお供の雉・犬・猿。―山東庵京伝(山東京伝)著『絵本宝七種』(蔦屋重三郎刊、1804年)Wikipediaより

 

桃から生まれた桃太郎伝説の原型?「温羅(うら)伝説」とは?

第10代崇神天皇の時代、吉備(きび)と呼ばれた岡山の南部にある山には、そそり立つ絶壁の上に石垣が残っているお城があり、鬼ノ城と言われていました。

鬼ノ城を拠点に周辺を支配していたのが、「温羅(うら)」という鬼でした。

鬼ノ城は大和朝廷によって、国の防衛のために築かれた古代のお城です。

歴史が解明されていない謎のお城・・・・・

こんな昔話が残されていました。

桃太郎伝説の原型?「温羅(うら)伝説」

温羅(うら)と呼ばれていた鬼は鬼ノ城を本拠地として周辺を支配して、村人を困らせていました。

大和政権は温羅(うら)を征伐しようと征伐軍を送ったが上手く逃げられてしまいました。そこで吉備津彦命(きびつひこのみこと)(第七代孝霊天皇の息子)に温羅(うら)退治を命令。

吉備津彦命(きびつひこのみこと)は吉備の中山に陣を備えました。(今の吉備津彦神社の辺り)

吉備津彦神社 Googleマップより

吉備津彦命(きびつひこのみこと)は温羅(うら)の矢を防ぐために巨石の橋を築き、そこから温羅(うら)に向かって二本の矢を同時に放ちました。

そして一本の矢が温羅(うら)の左目を射抜き、大量の血が辺り一面に流れました。

温羅(うら)は雉(きじ)に化けて逃げたので、吉備津彦命(きびつひこのみこと)は鷹に化けてあとを追いました。

すると温羅(うら)は鯉に化けて血の川に逃げたが、吉備津彦命(きびつひこのみこと)は鷹から鵜となり、鯉を喰い、温羅(うら)を退治しました。

吉備津彦神社Googleマップクチコミ
初めて吉備津彦神社に行ってきました!
お茶屋さんのたかきび団子美味しい👍池の水を抜いているせいか、ブユみたいな虫が飛んでたのが気になりますが、お詣りしたらそんなのどうでも良くなります!
新緑が目に鮮やかだし、お社もとても荘厳で!随分な年数を感じさせますがとても綺麗に整備されていて、しばらく眺めていたい空間でした。
鳥居の奥が結構ありそうだったのですが、今度はそちらもお詣りして見ようかと思います。 …Googleマップクチコミより

吉備津神社 Googleマップより

岡山といえば桃太郎の伝説が有名ですよね。
その桃太郎が吉備津彦という名前で、退治した鬼を成仏させてきたというのがこちらの吉備津神社であることを、初めて知りました。
本殿は足利義満造営、拝殿ともに国宝とされるがゆえの輝きを放ち、きっと神聖で穏やかな気持ちになれると思います。
特殊神事の鳴釜神事が有名なことも初めて知りましたが、鬼退治の物語、伝説との関連、神事のいわれなどを学ばれるときっとまたお参りに来たくなることでしょう。
360mに渡り続く美しい廻廊は、他では見ることのできない空間となっており、一見の価値があります。
梅雨の季節は紫陽花も楽しめます Googleマップクチコミより

吉備津彦命(きびつひこのみこと)とは?

歌川国芳『日本百将伝』より吉備津彦の想像図Wikipediaより

吉備津彦命(きびつひこのみこと)は、第七代孝霊天皇の息子。四道将軍の一人として日本書紀にも記載されています。

この方こそ、「桃太郎伝説」のモデルとなった方です。上の画像はWikipediaに記載されている歌川国芳が描いた吉備津彦命(きびつひこのみこと)の想像図。

吉備津彦命(きびつひこのみこと)には家来がいました。

犬飼部の犬飼武士、猿飼部、鳥飼部の役職の家来です。桃太郎伝説の桃太郎の家来、犬、猿、雉に結びつきます。あくまでも説ですが。

鳴釜神事(なるかましんじ)(吉備津の釜)

吉備津神社には御釜殿の地中に埋めた温羅(うら)の唸る首の話が残されていました。

温羅(うら)は首をはねられたが、いつまでも唸る首に吉備津彦命(きびつひこのみこと)は、犬飼武命に命じて犬たちに温羅(うら)の首を食べさせて骨だけにしてしまいました。

それを御釜殿の地中の深い所に埋めたという。

それでも唸り声はおさまらなかった。ある日のこと、吉備津彦命(きびつひこのみこと)の夢枕に温羅(うら)が現れ、妻である阿曽媛(あそひめ)にこの釜で米を炊くようにすれば、温羅(うら)が吉備津彦命(きびつひこのみこと)の使いとなり、釜の音で世の吉凶を告げよう言いました。

吉備津彦命(きびつひこのみこと)は言う通りにしました。

鳴釜神事(なるかましんじ)はこの故事始まりとされています。

御釜殿は国の重要文化財とされています。

桃太郎伝説

子供の頃に読んだ桃太郎の話はほのぼのとした内容で、悪い鬼を退治するというものでした。

語り継がれてきた「温羅(うら)伝説」が桃太郎伝説の原型となっているという説もあります。

悪さをする鬼を家来となった犬、猿、雉と一緒に鬼退治する物語に出てくる「きびだんご」は「吉備」という地名に由来すると言われています。

「桃太郎伝説」は今の岡山県の歴史や「温羅(うら)伝説」と結びつき生まれたようですが、他の地域でも同じような物語が伝わっています。

伝わる伝説に地域愛のようなものを感じてしまいます。富士山に伝わる木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の話でも地域によって違いはありますが、同じような話がいくつも残されています。

昔話、伝説や民話は郷土愛、後世に残したいことなどを感じます。

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記事作成者ch アメブロを10年以上継続しています。このブログでは年齢を重ねても前向きに。「調査し、探求し、問いかけ、熟考するのです」ウォルト・ディズニーの言葉は私の「大切な言葉」です。
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