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語り継がれる「葛(くず)の葉伝説」をご紹介します。

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葛の葉は伝説の中では狐の名前ですが、植物の葛の葉は狐の顔に似ているように思えます。葛の葉の裏側には白い毛が生えていて、まるで白ギツネ。

私の中で葛の葉と白ギツネが結び付きました。


画像 Wikipediaより 葛の葉

葉は大型の三出複葉で、長い葉柄で互生し、小葉は直径15センチメートル超の菱形状の円形でさらに中裂することがあり、受ける日光の強さで角度を変え、草質で幅広く大きい。葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びている。Wikipedia

竹原春泉 絵本百物語ー桃山人夜話ーに書かれている「葛の葉」の美女はこのようにして生まれたものかもしれませんね。

平安時代から摂津国阿倍野の里に伝わる狐と人間の恋の話「千年語り継がれる葛の葉伝説」と竹原春泉 絵本百物語ー桃山人夜話ー「葛の葉」多田克己編 京極夏彦他文 の「葛の葉」をご紹介します。

語り継がれる「葛(くず)の葉伝説」

『絵本百物語』に描か-れた葛の葉Wikipediaより

「信田杜(しのだのもり)のくずの葉のことは稚児(おさなご)までも知る事なればここにいわず」

「信田の森の葛の葉の話は幼い子供たちも知っている話なのでここには言わない」

葛の葉(くずのは)

摂津の国の草香のほとりに安村という陰陽師がおりました。その一子を安成(やすなり)といいました。

とても美男子だった安成は多くの女から思いを伝えられましたが、安成は同じ里に住む美女と密かに情を通わせていました。

しかし、互いの親が二人のつき合いを許さなかったので、人目を忍んで夜半に野辺に逢っておりました。

そこに一匹の狐が二人の様子を羨ましく見ていました。そしてその美女に化けて夜毎に安成と野外で交わり懐妊しました。

安成はやむを得ずこの狐の化身の美女をめとりました。

十月十日を経て男の子が生まれ、安代(やすよ)と名付けました。安成は妻が子を舌を使って舐めているのを見て、狐が妻に化けて子を喰らうと勘違いをして、刀を抜いて妻を斬ろうとしたそのとき、

妻が全てを告白しました。

「子への情は捨てがたい、私はこの世から去りますが、あなたが安代を大切に育ててくれるのでしたら、世にたぐいなき人となして家を興し名を上げさせましょう」

安成はこれを了承し、この世を去ることはしないで、人に悟られることなく変わらぬ契りを続けようではないか・・・と去ることを止めましたが、妻となった狐は聞こうとはしません。

「私の亡骸を深く土に埋めてください」と言って、その夜にいなくなりました。

安成は安代を連れて探し、草香山の谷陰に一匹の狐が舌を自ら食いちぎって横たわっているのを見つけました。

そこで深く土を掘り、亡骸を埋めて、塚の上に松を植えました。ここを畜生塚と言い習わして、今も草香山の谷陰にその跡が残っているといいます。

※草香山は大阪府東大阪市にある生駒山地に古代にあったとされる山。

楽天 本・雑誌・コミックより

おわりに

「葛の葉」を題材とする作品は多く残されていました。芝居、人形浄瑠璃、狂言、瞽女(ごぜ)唄、映画、落語まで様々です。

ずっと語り継がれてきました。

瞽女(ごぜ)というのは、盲目の女性旅芸人のことで、旅して唄いながら物語を語り継いでいくことをしていました。

<葛の葉 子別れ>

 

信太の森神社は葛葉稲荷神社として知られることになったとありました。千年語り継がれる葛の葉伝説を求めて実際に行ってみるのも良いですよね。

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