昔々のお話

伊豆半島の【天狗(てんぐ)が登場する昔話】をご紹介します

伊豆半島の真ん中に東西に広がる天城連山は日本百名山の一つでもあります。

天城山中には天狗(てんぐ)(伝説上の生物)が登場する昔話が残されています。

天城山中の天狗の他、伊豆半島に残されている天狗が出てくる昔話のご紹介です。

伊豆半島の【天狗(てんぐ)が登場する昔話】をご紹介します

天狗の昔話は全国に残されていますが、伊豆半島でも天城山中を中心に天狗が悪さをしたり、遊んでいたりしていくつか残されています。

天狗は平安時代には姿が見えない存在だったようですが、山岳信仰に関わる妖怪や神とされ、様々な物語に登場しています。

鳥のような人間のような、悪さをしたり、修行僧を守ったり、物語によっていろいろな「天狗」が登場しますが、伊豆半島の天狗は悪さをしていたようです。

静岡県伊東市「天狗の詫び証文」

1658年頃、伊東の柏峠にはいたずらな天狗が棲んでいました。

柏峠は伊東から修善寺に向かうときに通る道で、この時代、たびたび天狗の仕業と言われていた奇怪な出来事が起きていました。

峠を越える旅人を困らせたり、里にも下りてきて、悪さをして村人を泣かせていました。

前に書いたこちらを参考にしてください。伝説「天狗の詫び証文」は悪さをする天狗のお話です

「詫び証文」は実際に今も伊東市の仏現寺に残っているのだとか・・・。

静岡県伊豆の国市「天狗の独楽(こま)」

昔々、奈古谷の国清寺(こくせいじ)(静岡県 伊豆)に一兆(いっちょう)という小坊主がいました。

2013年頃に私が行った時の国清寺はこんな感じの所で、ここに一兆さんがいたということですね。

一兆さんはお経を読むのもいい加減、暇さえあれば寺門に子供を集めて独楽回し(こままわし)をしていました。

一兆さんは一度も負けたことがない。

ある晩のこと、一兆さんが長廊下を歩いていると、大きな羽ばたきの音が!そして低い声で「小僧、こっちへ来い」と言いました。

そして一兆さんの体がふわりと持ち上がったので、一兆さんはびっくり!

そして広い野原のようなところに下ろされました。辺りは真っ暗でしたがガヤガヤと大勢の人がいるようです。

「小僧!天狗になれ!」「天狗にしてあげよう」あちらこちらから声が聞こえてきます。

「いやじゃあ、天狗はいやじゃあ」一兆さんは叫びました。

すると、「いやでも天狗にしてくれようぞ」と天狗が笑いながら言いました。

一兆さんは、「天狗にされてはたまらん。さて、どうしよう」とふところに手を当てると、かたいものがさわりました。

独楽でした。一兆さんは独楽回しなら誰にも負けない自信があります。一兆さんは、思いきって「それなら独楽回しで勝負しよう。わしが負けたら天狗になってもええに」と言いました。

「よっしゃ」天狗たちは闇の中から立ち上がってきたようです。

天狗が独楽を回して投げた音がしました。

一兆さんは夢中でふところから独楽を出して、音のする辺りにひゅっと投げました。

独楽と独楽がぶつかり、片方がはじかれた音がしました。闇に慣れてきた一兆さんの目は、独楽を勢いよく回しました。

独楽はつぎつぎと投げられ、つぎつぎとはじき飛ばしていきました。

天狗たちは自分の負けた独楽を一兆さんのふところにねじ込みました。一兆さんのふところは天狗の独楽ではちきれそうになりました。

天狗たちは「あっはっは・・・見事に小僧にやられたぞ」と天狗笑いをしながら飛び立ち、いなくなりました。

そこへ、「一兆さん、おーい」と和尚や村人たちがやってきました。

「一兆さん、ふところから椎茸がはみ出ているよ」

一兆さんのふところの中に、いっぱい押し込まれた天狗の独楽は、いつの間にか椎茸になっていました。

(参考・伊豆の民話 岸なみ・編 日本の民話4 未来社)

Googleマップ 伊豆の国市 国清寺

天長山国清萬年禅寺(国清寺)がここまで境内が広く仏殿を取り巻き幾つもの講堂、支院が点在し、いにしえの旺盛が思い浮かばれる。
国清寺本堂脇を抜けて100m程上ると国清寺のスタジイの巨木が忽然と現れる。見応えありますよ。Googleマップクチコミより

伊豆の国市の椎茸狩りに行ったことがあります。焼いて食べましたが美味しかった!

静岡県伊豆市「天狗の松」

静岡県伊豆市上船原の高根神社には昔々大きな松の木が一本ありました。

今もあるのかはわかりません。

この松の木の下はとても広く、この辺りの目印となっていました。

この松の木はちょっと不思議なことがあって、松葉が落ちません。落ちた松葉を見た人がいなかったのです。

ある日のこと、近くの百姓が一日の仕事を終え、すきやくわなどの道具を川で洗っていると、サーサーと高根さまの方で音がしてきました。

百姓は高根神社の社に行ってみました。大木の松の下を一人の僧が履き清めていました。

そろそろ夕暮れの頃、百姓は声をかけてみました。「どなたじゃか?ごせいがでるこんでー」

すると僧はこっちを向きました。その顔は目が金色に輝き、大きな鼻、耳までさけた口。

百姓は驚いて逃げ出しました。百姓がこのことを近所の人たちに話すと、皆はおそるおそる大木の松の近くまで行って、不思議な僧を見ようとしました。

そのときはどこにも誰もいません。

それから何年か経ち、大嵐が来て、大木の松も横倒しになり、枝も地につけてしまいました。

「惜しい木だけど、もうしょうがあんめ。伐ったらどうずら」ということに。

木こりを頼み、いよいよ明日伐ることに決まりました。

その晩のこと、村人は不思議な声を夢の中で聞きました。

えいやぁ えいやぁ えいやぁ

何千人とも思えるかけ声に人々は目をさまして、翌朝になって木を伐りに行った木こりたちが倒れているはずの木がないと戻って来ました。

村人たちが行ってみると、松の木は元通りになって天に向かってそびえ立っていました。

「ゆうべかけ声を聞いたが、どうも天狗どもがこの木を立てたずらよ」

(参考・伊豆の民話 岸なみ・編 日本の民話4 未来社)

天狗たちは自分たちの松の木を力を合わせて元通りにしたのですね。

Googleマップ 月ヶ瀬 高根神社

天城山「天狗平」

天城山の万二郎岳と万三郎岳には天狗の兄弟が棲んでいました。

万三郎岳に棲んでいたのが兄さんで万二郎岳に棲んでいたのが弟の天狗です。

この天狗の兄弟は仲が良く、夏には八丁池で水浴びをしたり、そこから近い所で相撲をとったりして遊んでいました。

天城山には怪物が棲んでいた!?「天城邪鬼」の話と天狗の兄弟の話こちらでも天狗の兄弟の話を書いています。

天狗の兄弟が相撲をしていた万二郎岳にある「天狗の土俵場」は、木が生えなくなってしまったということです。

今でもその場所は「天狗の土俵場」とか「天狗平」と言われています。

(参考・伊豆の民話 岸なみ・編 日本の民話4 未来社)

Googleマップ 賀茂郡東伊豆町 万二郎岳

2021-11-12 伊東市内で夕食と風呂を済ませ、ゴルフ場登山者専用駐車場で前泊。強風にユサユサ揺られながの車中泊でした、綺麗なトイレもありがたいことです。
万二郎〜万三郎と周り周回しました。
登山口から10分も歩いたら、ヒメシャラの大木! ヒメシャラとシャクナゲ一杯の山行でした。 日本百名山だけに、シャクナゲの季節はきっと行列なんでしょう。Googleマップクチコミより

静岡県賀茂郡西伊豆町「天狗盤石と兵太ヶ滝」

大澤里字禰宜之畑(おおそうりねぎのばた)は賀茂郡西伊豆町にあります。

ここには天狗が碁を打ったあとと言われる奇石があります。

大城の北方に大滝があります。昔、兵太という男がここで命を落としたそうで、兵太ヶ滝と言われるようになりました。

この滝壺には滝の主の大きな蟹が棲んでいて、時々滝を抜け出して遠くの稲取まで遊びに行ったと言われている。

静かな夜半、遙か遠くの山々が震動し、一陣の風が吹いていくのを里人は時々聞いた。

それは兵太ヶ滝の巨蟹が出たからだという。

(参考 伊豆伝説集 後藤江村・著)

Googleマップ 禰宜之畑温泉

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