何度も一周している散策コースですが、最近は健康維持のために散歩をする人が増えてきているので、もっと奥深く「一碧湖」という湖を探ってみたいと思います。
一碧湖は「伊豆の瞳」と言われていますが、これは近くの「大室山」の山頂から見下ろすとブルーの瞳に見えるので納得です。
天気によって霞んで見えるときもあり、瞳が霞んでいるようです・・・。
一碧湖の周囲は約4kmのちょうど良い散策コースとなります。
体力によってコースを決めると、ほとんど平坦な道で歩きやすいので、多くの人が自然の道を心地よく歩くことができるのと思います。
天気の良い日には軽く散歩をする人たちだけでなく、日帰りツアーなのかバスで来て散策コースを一周して帰る人たちもいます。
何年か前には見ることのなかった光景ですが、皆さんでお弁当を食べていました。
Contents
一碧湖・沼池は四季折々の季節を感じる最高の散策コース
一碧湖は大池と沼池があります。
両方を合わせると上から見るとひょうたん形をしていて、遊歩道もできているので周遊ができるのです。
一碧湖は水蒸気爆発によってできた「マール」という火山湖で、約12万年前の噴火でできたものと言われています。
一碧湖と沼池は場所が隣り合わせ、噴火時期が同じころということで、双子の火山と言われています。
歩いていると所々に切り立った崖があって、爆発角れき岩の地層を見ることができます。
伊豆半島ジオパークのジオサイトなので、詳細が書かれた看板が設置してあります。
一碧湖の水深は約6.2mです。
昭和の時代は、私の両親の若い頃は、一碧湖はデートスポットだったそうで、ボートに乗ったり泳いだりしたそうですよ。
今は泳ぐことは禁止されています。
一碧湖の沼池
火山によってできた湖は自然環境が独特のものが生まれるようで、樹木、野草など約250品種が数えられているそうです。
歩いていると、そういうことに詳しい方に偶然に出会うことができて、野草のことなど説明をしてくれました。
「一碧湖が好きなんだなぁ~」と感じました。
沼池はアシやフトイが群生していて、チョウジソウも群生しています。チョウジソウの群生は県内でもここだけのようですよ。
サギ、カイツブリ、ツグミ、オオバシ、カワセミなどの野鳥も囀り、鳴き声を聴いていると幸せ気分になります。
魚類はブルーギル、ブラックバス、ヘラブナなどがいます。
鯉もカメもカエルもいて、鯉は遊歩道を歩いていると大きな口を開けて近づいて来るのですが、ブサオモロイって感じなのですが。(鯉好きの人、ゴメンナサイ)
ところでこれ、鯉ですか?(笑)
くちばしが黄緑色のマガモも見たことがありますが、雄は綺麗な色をしています。
こんな感じで歩いていると楽しくなっちゃいますよ!
その他ここで見ることができる主な植物を調べてみました。
<春>
ズミ・・・沼池西岸のある落葉樹で5月から6月に白くて可愛い花を咲かせます。
コウヤワラビ・・・湿った所に生息する落葉性の多年草で群生します。春に若々しい緑が綺麗です。
ヤマグワ・・・沼池の西岸に見られる落葉樹。実が緑から白→赤→紫→黒と変化していきます。
<夏>
ハンゲショウ・・・水辺に根茎をのばして群生する多年草。沼池の南岸で見ることができます。
ヒメシャラ・・・沼池西岸と大池北岸に見られる落葉樹。椿に似た白い花が可愛いです。
エソミソハギ・・・水辺や湿地に自生する多年草。赤紫の花が目立ちます。草丈も80㎝~150㎝ぐらいになります。
<秋>
ナンセンハゼ・・・白い実がおもしろいもので、紅葉も綺麗なので街路樹にも利用されているそうです。
クヌギ・コナラ・・・沼池の西岸と大池の北岸に見られる落葉樹。どんぐりと言われています。
ガマズミ・・・沼池西岸で見られる落葉樹。白い花が枝先に咲きます。
<冬>
ヤブツバキ・・・これは所々に咲いています。一碧湖周辺で見ることができます。
アオキ・・・沼池と大池の南岸で見ることができます。常緑低木で赤い実が綺麗です。
沼池の隧道は「吉田の隧道」と言われ、こんな話が残っていました。
吉田の隧道は、山を約350mにわたってくり抜いたもので、今から140年くらい前の話です。
工事を始めた山口半五郎は、罪を犯し、その償いのために旅をしていました。
ここ吉田にたどり着いた半五郎は吉田の人々が水が不便で困っていることを知り、山越えた所に湖があることを知った半五郎は、この湖の水を引くことができないものかと村人の間を説いて回ったが人々に取り合ってもらえなかった。
そこで自分一人で手ノミ一丁で山をくり抜き隧道を造ることにしました。
半五郎は罪を犯してきたので、村人の幸せを願って工事を続けました。
途中で村人が手伝うようになりましたが、13年かかり完成しました。
この用水のおかげで吉田の盆地は美しい水田地帯に変わりました。
十二連島
大室山の東側に岩室山というのがありまして、ここが噴火したときに流れた溶岩の連なりのことで、これも12万年前の噴火のです。
この連なりの一つがお経島と言われていて、お世話になっているご住職に話を聞きました。
伝説 大池の赤牛とお経島
大池(一碧湖)には昔、赤牛が主として住んでいました。
赤牛はキツネにも化けて、旅人が舟で乗り出そうとすると、舟を転覆させたりしました。
怒った村人たちは徳の高い光栄寺六世の日広上人に助けてほしいとお願いをしたのです。
日広上人は十二連島の一つの小島に行き、お経を唱えて、このお経を小島に納めたそうです。
というわけでお経島と呼ばれるようになったのだとか。
赤牛の悪さも無くなり、めでたし、めでたし。
この伝説は実際に残されていて、光栄寺の今のご住職も話してくれます。
与謝野鉄幹・晶子夫妻文学碑
与謝野鉄幹、晶子夫妻は、元朝日新聞ロンドン特派員を務めたという嶋谷亮輔氏が営んだ一碧湖の山荘に滞在していたときに多くの歌を残し、その中から選ばれた歌が歌碑として残されています。
初夏の天城おろしに 雲吹かれ みだれて影す伊豆の湖(鉄幹)
うぐひすが よきしののめの空に啼き 吉田の池の碧水まさる(晶子)
こんな句も見つけました。
湖畔より大室山のあたりまで虫の音に満つうす月に満つ(晶子)
伊豆の山湖上の霧が隠れたる洞あるごとき朝ぼらけかな(晶子)
古い本に 「与謝野晶子が伊東市の大池小学校の運動会にやってきた」と書かれていました。
大池小学校は現在でもあります。与謝野晶子がこの大池小学校に来たのは、昭和12年10月、59歳の時です。
昭和9年に夫の鉄幹を失い、まだ悲しみの中だったのでしょうか。
大池小学校短歌が残されていました。
大池の 小学校の秋に聞く 五箇町村の 子等が歓声
一隅に 吉田小学 歌うたび 光る鴨行く ひるのみずうみ
忘れめや 峠の吉田学校を ひだりに折るる 鈍色(にびいろ)の道
鈍色というのは灰色です。お別れの寂しい気持ちが伝わってくるようです。
(著・加藤好一ほっと・ふるさとより)
鉄幹との恋愛で晶子は大きく変わりました。恥ずかしがり屋だったのですが、大胆に恋のうたをうたうようになったのです。
「思いも寄らぬ偶然のことから一人の男と相知るに至って自分の性格は不思議なほど激変した。自分ははじめて現実的な恋愛の感情がわが身を焦がすのを覚えた」
と告白しています。
「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」
女性の感情を解放した「みだれ髪」は有名です。
沼池近くに住む野良ちゃん
高級な食事を好む野良猫ちゃんは、一碧湖沼池付近に住んでいます。
怪我をしていたのか、毛が丸く抜けていたので、良いモノを食べさせたらすっかりと元気になりました。
なんだかホッとしましたが、良いモノしか食べなくなってしまいました。(汗・・)
一碧湖沼池周辺ののらちゃんは、今は別荘に住む方たちに可愛がられ成長しています。
一碧湖の散策、散歩を楽しみましょう
昭和の初めに観光開発を目指してこのような美しい名が付けられた一碧湖ですが、観光地だからということだけでなく、気軽に散策をできる場所として知ってほしいと思います。
それと、この記事を読んでくれた方の地域でもきっと素晴らしい場所があって、遠足気分で歩かれたら楽しいのではないでしょうか。
地元を知るということと、歩いて健康になる。
大人遠足は楽しいです。
体が鍛えられるだけでなく、精神的に強くなることと、認知症予防にもなるそうです。
有酸素運動が脳に良い影響を与えてくれるということですね。
家にこもっていてもつまらないので外に出ましょう。
旅行に行けない方、遠くに行けない方、楽しむことは自分次第ですよ。
「テラス・カフェ・一碧湖」のご紹介
2019年4月25日に「テラス・カフェ・一碧湖」がオープンしました。
ソフトドリンクなどの飲物やソフトクリーム、パンなども食べることができます。本なども置いてあり、ゆったりと湖の畔で寛ぐことができて、貸しボートや釣り船の営業も再開しました。
営業時間は午前7時~午後4時まで。
午前7時から営業をするのは朝、散歩をする人が一息つけるようにということです。
貸別荘を拠点に伊豆遊び
伊豆半島に位置する一碧湖のアイドルのアヒル!?いつも仲良し!