子供の頃(幼児の頃)に童話が好きで、良く読んだり見たりしながら楽しんできた方はわかると思うのですが、昔話ってなんかほのぼのとしていて、読んだ後に「フフ・・」と微笑んでしまう・・・そんな感じですよね。
八咫烏(ヤタガラス)って知っていますか?
八咫烏(ヤタガラス)は昔々、日本神話の中で日本を統一した神武天皇のお話に登場します。
カラスではありますが、神武天皇が東征の際に導いた案内役で、熊野から大和までの道案内をした三本の足のカラスです。
古事記、日本書紀、延喜式などに登場します。
カラスって古来から霊鳥として畏敬(いけい)され、また笑いももたらしてきました。
霊鳥というと八咫烏(ヤタガラス)と言われ、神の使いで霊力があり、太陽の中に住むといいます。
最近ではゲームの中でも登場しているようです。
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神の使い八咫烏(ヤタガラス)や「カラスのくわ」昔から伝わるカラスのこと
八咫烏(ヤタガラス)のことや「カラスのくわ」という昔から伝えられている話をご紹介します。
八咫烏(ヤタガラス)のこと
八咫烏(ヤタガラス)は古事記の中つ巻で神武天皇の東征の物語に出てきました。
東方のユートピアを目指して旅に出た神武天皇たちは、紀伊半島の南部、熊野に上陸しました。
協力な軍勢を避けて、大きく南から迂回して大和の盆地に入ろうとしたのです。
でも迂回したものの、こちらでも苦難が多かったのです。
荒ぶる神の化身の大熊が現れたり、他の荒ぶる神々の毒気で衰弱してしまう神武天皇たち。
救ったのが高天原の最強神、建御雷之男神(たけみかづちのをのかみ)が地上に降ろした霊剣でした。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)も子孫を心配し、大和への道案内役に八咫烏(ヤタガラス)を遣わしてきました。
八咫烏(ヤタガラス)の先導により大和へ入ることができました。
八咫(やた)は「大きい」とか「長い」という意味を持っています。
八咫烏(ヤタガラス)は三本の足を持っていますが、天、地、人を表すということです。
熊野三山に共通する神の使いとして信仰されています。
日本サッカー協会のシンボルマークの八咫烏(ヤタガラス)
八咫烏(ヤタガラス)が知られるようになったのは、こちらの影響の方が大きいかもしれませんね。
日本サッカー協会のシンボルマークは八咫烏(ヤタガラス)です。
これは明治時代に日本に初めてサッカーを紹介した中村覚之助氏が、熊野那智大社のある和歌山県那智勝浦出身だからということで、シンボルマークになったそうです。
画像検索をすると八咫烏(ヤタガラス)とサッカーボールが一緒になっているものが多く出てきます。
ボールをゴールに導くようにとの願いも込められているそうです。
霊鳥と畏敬(いけい)され、笑いをもたらしてきたカラス
現代はカラスはごみを荒らし、巣を作るときにはベランダのほうきを狙い、頭の上で不気味に鳴くので嫌がられていますね。
そうなのですが、これだけ古い話が残っているということは、人間の生活の中でいつもどこかに存在していたということになるのではないでしょうか。
道路の真ん中に車が来る直前までいて、特に慌てる様子もなく平然としている(ように見える)カラス。
実際に経験した話なのですが、頭が良いカラスにこの冬は植えてあったパンジーの花を抜かれてしまいました。
パンジーの花を抜いて運ぶってどういうことでしょう?初めてのことなので、良くわからないのですが、抜くのを目撃をしたので本当の話なのです。
笑いをもたらしてきたカラスは、パンジーを抜かれて慌てている私を上から見て笑っているのかもしれません。
「かぁ~ははは」って。
野良猫に餌をあげていた知人が、猫の餌を入れ物ごとカラスに持っていかれて怒っていましたが、直径10センチぐらいの入れ物を良く上から見つけますよね。
恐るべし!
昔話「カラスのくわ」
くわは「鍬」で、農家の方が使うものです。
滋賀県蒲生郡(がもうぐん)に残されている話で、いつの時代でしょう。
お百姓さんが畑に鍬(くわ)を置いて帰ってしまいました。途中でカラスが鳴いていました。
「くわぁ、くわぁ」
お百姓さんは、「くわ、くわ、言いよんな」と思ったのですが、自分のこととは思わないで帰ってしまいました。
家まで来ると、ほととぎすが、
「とて来うい、とて来うい」
と言いました。お百姓さんはようやく気づき、「とてこい、とてこい」と言いよるから鍬(くわ)を取りに行ってこな。
ということで門口を出かけたら、牛が鳴きました。
「もうない、もうない」 (笑)
(参考・日本昔話百選)
烏(カラス)の八卦(はっけい)
八卦は伏羲が天地自然に象って作ったという伝説があり、卦の形はさまざまな事物事象を表しているとされる。Wikipedia
昔々のお話。八卦の本が十六冊あったときのことです。八卦の本が十六冊もあったら、「あんたは○月○日に怪我をする」「あんたは○月○日にあの世にいく」などみんなあたってしまうものだから、働くのが面倒になって、どうせ○月○日になったらこうなる、ああなるとわかっているから、それなら寝ていた方がましや。
と言うもんが増えたって。
「こんなに当たるものは怖い」ということで、八冊だけ焼いてしまった。
するとその灰の中から鳥が生まれてきました。それが真っ黒な烏だった。だから烏は明日のことまで知っていて、人があの世に行くときは知らせるのです。
「カアー、カアー」と鳴くときと、「カァ、カァ」と鳴くときの声の大きさや様子でわかります。
八卦の本が八冊になったから、人はまた働くようになりました。(参考 夢と占い 烏の八卦 文・松谷みよ子)
おわりに
八咫烏(ヤタガラス)は大昔、日本を統一したとされる神武天皇が東征されたときに導いたとして、導きの神として熊野本宮大社で信仰されています。
カラスは賢く、大昔から人間の世界に存在していたようですし、今でも多くのカラスがいます。
カラスって一見気味悪いのですが、導きの神としてみると、強さも感じます。
熊野神社本宮ホームページによると、三本の足には意味があるようです。
三本の足は天・地・人を表すと言われているとのこと。天は神様、地は大地(自然環境)と人です。
神と自然と人が同じ太陽から生まれた兄弟であることを示すとしています。
神と自然と人、自然を無視すると神は怒り、人に害が及ぶと思います。三つの繋がりは崩してはいけないのかもしれませんね。