今ではくしゃみが出ると、風邪を引いてしまったか、インフルエンザにかかってしまったか、アレルギーによるものかと思いますが、昔々はくしゃみはいきなり出てしまうもの、人の意に反してということですね。
くしゃみは昔々は「くさめ」と言われていて、くしゃみをすると、何らかの前兆ということで、「くさめ、くさめ」と呪文を唱えていたのだとか。
くしゃみが出ると、魂も飛んでいくと言われ、それで寿命も縮むと思われていたときもありました。
くしゃみの後、くさめ、くさめと唱える
吉田兼好の徒然草にくしゃみをしたあとに、「くさめ、くさめ」と唱えないと死ぬということが書かれていて、早死にしたくないから呪文を唱えていたそうです。
鼻の穴から魂が抜けていくと考えられ、寿命が短くなるということで、「くさめ、くさめ」と唱えました。
今の時代にそんな呪文を唱えている人がいたら怖いです。
「くさめ」は、「くそはめ=糞くらえ」
「くさめ」というのがどこから来たかというと、「くそはめ」で「くそはめ」は「糞くらえ」という言葉の古語です。
糞くらえということなのではないかと言い伝えられています。
糞くらえということは、「鼻クソ」に結びつきますね。
そこから来たのでしょうか。その辺のところは良く分かっていないそうです。
くしゃみが出ると誰かが噂をしていると言いますが、それは1回のくしゃみの場合で、何回も出る場合は風邪かも知れませんので、ゆっくり休むことが必要だと思います。(笑)
しゃっくりが続くと死ぬ
くさめと同じように「しゃっくり」にもおもしろい俗信があります。
しゃっくりが続くと死ぬというものです。
「死ぬ」ことはないと思いますが、昔の人はそう言っていたのです。
「死ぬ」などという言葉は、今の人は嫌いますが、昔々の伝説などを読んでいると、良く出て来ます。
汚い言葉もいやらしい言葉も書かれていて、今の時代との違いを感じます。
しゃっくりは横隔膜(おうかくまく)の痙攣(けいれん)によって起きる現象ですが、息を止めて水を10回飲むとかやったことがありませんか?
これで止めた経験があるのですが、しゃっくりをしている人を驚かせるというのも、やっていた人がいます。
隅にひそんでいて、「ワッ!」と言って脅かすのです。
自分のしゃっくりを止めてもらうのには、脅かしてもらうということになります。
これをやったこともあるし、やってもらったこともありますが、効果はなかったような気がします。
脅かすのは危険も伴うので、おススメはできません。
人によっては、異常に驚いてしまう人がいるからです。
お笑いの世界なら、腰ぬかしたり、物が飛んだりして笑えるかも知れませんが、そうではないので恨まれてしまいます。
病気の可能性もある
しゃっくりをおもしろおかしく止めることも必要ですが、なかなか止まらない場合は、肝臓や膵臓の病気の場合もあるので、しっかりと検査を受けることが必要だということです。
呼吸器の疾患の可能性もあります。
止まらない場合は、たかがしゃっくりと言わないで、早めに病院に行った方が良いそうです。
うわさと俗信 民俗学の手帖から
著・常光徹
俗信、言い伝えなどは調べるとたくさんあっておもしろいですよ。
くさめやくしゃみの俗信のように語り継がれてきたものから、あまり知られていない俗信まで様々な俗信があります。
都市伝説も多くありますが、人の心との結びつきを解き明かしていくと、昔から現代まで共通している心が見えてきます。
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